四国お遍路 二十番札所〜蛇二匹の導き

2022.05.24

朝起きると昨夜あんなに痛くて曲げられなかった右膝が復活!痛くない。ただし、今日また山越えの20数キロを歩ききれるかはわからない。

案ずるより産むが易し。予定していたお宿はキャンセルし、いつギブアップしてもいいように徳島駅の宿を延泊し、最低限の荷物をお腹と背中のリュックに入れて昨日打ち終わった立江駅に向かう。

昨日はバタバタで駅の写真も写せなかった。今日は電車を見送り無人の駅を味わう事ができた。

駅から立江寺の横を通り過ぎて朱色の橋を渡る。

「マムシに注意!真念歩きへんろ道」

一面の竹山。しっかり整えられて美しい。

空が広い。向かう先はあの山の向こう。

あんなに遠かった山がどんどん大きく見えてくる。

田んぼの中にATM。

お宿の素敵な看板。泊まってみたかった。

鶴林寺まで11km。

右に向かうと鶴林寺。左に向かうと太龍寺。次回はここからスタートしたい。

あの山がここまで近づいてきた。(でも実は…鶴林寺はこの山ではなかった)

我慢の限界となるギリギリで求めていたものに出逢えた。「お遍路さんトイレ利用できます」助かった。

消防詰所さん、本当にありがとうございます。

スッキリしてホッとして足を休める。

そしてまた歩む。その途中から、道の駅「ひなの里かつうら」までの道すがらお遍路さんと同行。昨日立江寺に向かう途中に飲み物が買えなくて困っていた方。お接待でいただいた飲み物を差し上げた。あの後も自動販売機に出会えず助かった、と言っていた。出会えてよかった。

今日は絶対に辿り着けないとふんで出てきた鶴林寺。なのに足が痛くならない。経本も念珠も輪袈裟もお線香や蝋燭さえ持って来ていない。でも氣望さんと菅笠と金剛杖は同行している。行けるところまで行ってみよう!

本来はこの辺りで泊まって一気に鶴林寺と太龍寺までを打つのが通例らしい。これからチャレンジするお遍路さんの参考になりますように。

山の前に腹ごなし。道の駅で買った海苔巻きを噛み締めながら進む。美味しい。

登りがはじまる。

茅葺のお遍路小屋。

とっても素敵。今回は眺めて通り過ぎる。

またまた竹山。

鶴林寺まで0.9キロ。

これが思った以上に遠く。思った以上に急勾配。思った以上に歩きにくい。

それでも人の手が入っているだけ怖さは少しまし。途中上から降りて来た人とすれ違う。「今日どこまで行くの?大丈夫?」と心配される。その理由がわかるのはもう少し後のこと。

こんなに登った。キツイはず。

さらに登る。

境内まで100メートル。

最後にこの階段、、、

やっと。やっと着いた。たどり着けてしまった!二十番札所鶴林寺。

お線香と蝋燭は鶴林寺さんにお手伝いいただいた。御朱印は半紙に書いた物をくださった。納経所で太龍寺に向かいながら途中の交通機関で徳島駅まで戻る方法を尋ねたら困惑させてしまった。来た道を戻るしか無いのだ。そして麓まで戻ったところで、もうバスがあるかどうかは分からないと。途端に右膝が痛み出す。まさに病いは氣から。

ご親切に、あと1時間したら仕事が終わるから、ゆっくり車道を下っていたら途中でひろってバスか電車に乗れるところまで乗せてくれると。途方に暮れるところを本当にありがたい。

足を引きずりながら急な坂道を下る。いろんな歩き方を試すも痛くない方法は見つからなかった。

3キロほどくだったころ、赤い乗用車が目の前で止まった。納経所の方ではない。その後おかしな動きをする。細い山道のギリギリ山側までハンドルを切る。ふと見ると目の前の道路の真ん中に1メートル以上ある蛇が2匹からまっている。

赤い車は蛇を避けていってしまった・・・。

と、思ったすぐその後で「大丈夫ですかぁー?」声が聞こえてきた。すぐさま「大丈夫じゃないです」と答えた。蛇に投げる石ころもないと言いながら、蛇がいなくなるまで一緒にいてくれた。そして、足は大丈夫か聞いてくれた。山を登ってきた時に足を引きずって歩いているのを見てくれていたよう。涙腺が緩む。

お二人のご好意に甘えて、なんと徳島駅のすぐ近くまで同行させていただく。途中、お二人からたくさんの贈り物をいただいた。室戸岬、足摺岬、、、歩かずに交通機関を使えと。自分を痛めつけることを弘法大師は望んでいないはずだと。絶対に全部歩くと決めていた気持ちを汲んでくれながら何度も繰り返し諭してくれた。

私は数年前まで24時間痛いところだらけだった。痛くなくなったからチャレンジしなきゃと思い込んだけれど、50歳を超え、本当に目指したい目的と目標を持っているのにわざわざまた身体を痛めるようなことまでをしなくてもいいんだと気付かせてもらった。二匹の蛇がくれた奇跡の出逢いだ。

笑顔が明るく優しくあったかく。この上ないお遍路での出逢い。お二人の地元、愛媛で再開できることを目指して歩き続けます!ありがとうございました。

夕陽がきれい。

本日の歩行距離25km。顔晴(がんば)れた。Fukumiya